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2012年03月01日

奥川自然再生全体構想

 かつての奥川は、他のやんばるの川がそうであるように、地域の生活に密着し、生活を支える重要な場所であるとともに、生きものが豊富で、自然豊かな河川でした。
 奥川の自然再生では、洪水被害のない安全な河川を維持しながら、この川が本来有していた豊かな自然環境と健全な生態系を再生することにより、地域生態システム(地域生態系、流域圏生態系)において中心的役割を担い、さらに環境学習や自然とのふれあいの拠点となるような川の姿を目指して、次のような目標を定めます。

(1)リュウキュウアユが生息できる河川生態系の再生
 リュウキュウアユは、沖縄の河川に生息する多くの魚やエビ・カニ、貝類などと同様に、海と川とを行き来する回遊性の生きものであり、沖縄の河川において唯一人為的影響による絶滅が確認されている動物です。
 リュウキュウアユを指標として、リュウキュウアユが生きられる河川環境を復元することで、他の多くの生きものにとっても棲みやすい川を取りもどし、奥川本来の河川生態系の再生を目指します。


(2)マングローブ林の再生
 マングローブ林は、そこに生息する生きものの生息基盤となり、マングローブ生態系を形成するだけでなく、川から海へと流れ降りる際や、海から川へと遡上する際など、一時的に河口部を利用する多くの生きものにとっても、安全な環境を提供することになるものと考えられます。
 また、マングローブ林が有する生物の多様性は、環境学習や地域の景観形成に大きな役割を担うものと考え、河川の治水機能への影響を与えないように留意しながら、マングローブ林の再生を目指します。


(3)外来種の適切な管理
 外来種は、奥川在来の河川生態系に影響を及ぼしている可能性が考えられています。
 こうした外来種について、管理計画を検討し、必要な対策を講じ、奥川生態系の健全化を目指します。


(4)自然とのふれあいや環境学習の場として中核を担う地域づくり
 奥川における自然再生の取り組みは沖縄本島における環境再生の先進的な事例となります。
 実際の自然再生の現場において、河川環境の現状を学び、将来の環境について考え、自然を体験することで、自然環境に対する意識を高めることができます。
 環境学習や自然とのふれあいの機会と場所の提供を通じて、後進を育成し、持続的な自然再生を目指すとともに、周辺地域における自然再生等の取り組みの中核を担う地域を目指します。

奥川自然再生全体構想


奥川自然再生全体構想(平成20年3月策定)



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Posted by 奥川自然再生協議会 at 08:40 │全体構想&実施計画